ECTCはIEEE主催の世界で最大規模の実装技術中心の国際学会である。H25年度に上げたディープエッチングの技術成果の発表と、H26年度NMEMSセンサ実証の為の不可欠なドライエッチング技術についての最新技術情報の収集を行った。
初日はチュートリアルを受講。講師はITRIのJohn Lau氏による3D-IC実装とシリコンインテグレーションについて、最新のレクチャーを受けた。講義ではNEMSMで進めている機能付きシリコンインターポーザの様な、半導体技術を基軸としたSiインターポーザ技術や、樹脂を用いたインターポーザ技術の躍進についても触れられた。インターポーザは現時点、コストが大きな課題である点を説明。NMEMSの場合、さらに微細キャパシタを内臓する為、シンプルなインターポーザと比べるとコストアップとなる。従って新たな工程や材料、或いは成膜技術やドライエッチング技術の開発等で、如何に製造コストを下げるかが非常に重要な課題になることが予想でき、大変有意義な講演であった。
今回グループ(アルバック拠点)から2件の採択を獲得。
5日間での入場者は1170名と多く、実装関連の学会の中では最大級の学会である。
1件目発表はポスター発表で、低コスト化に向けた切り口で、キャパシタ形成における成膜の為のエッチング技術とは何かについて発表。さまざまな分野方面から議論を行えた。TSVエッチング以外にもプラズマダイサーとしての応用にも使えるのではないかといったコメントも多くでた。
2件目発表はノンボッシュのエッチング装置技術について口頭発表。聴講者から、"キャパシタ形成はインターポーザファーストかラストか?これによって温度の影響が違ってくるのでは?"といった的をついた質問も出た。
発表後の休憩時間でのディスカッションで目立ったのは、MEMS関連分野からのコメントで、TSV工程は安くさえできれば今にも採用したといったコメントが多かった。こういった工程のコスト計算専門の企業からもセンサデバイス製造におけるコスト計算をしてみないかと提案をもらう程の反響であった。今回、本NMEMSプロジェクトを通し、低コスト化思想のエッチング開発を行ってこれた点、その開発成果に対して一定の将来性(横展開性)を感じることができた一方、量産工場を意識した工程全体のインテグレーション技術のマネジメントも極めて重要な点も理解できた。
NMEMS技術研究機構、つくば研究センター、分散研 森川 泰宏(アルバック)