2014年7月14日月曜日

JCK2014

Japan-China-Korea MEMS/NEMS SeminarはグリーンイノベーションおよびライフイノベーションのためのMEMS/NEMS分野の日中韓3カ国の研究者および政府関係者が一堂に会したジョイントセミナーである。
これまでは2010年に第1回(札幌、日本)、2011年に第2回(Jeju、韓国)、2012年に第3回(上海、中国)、2013年に第4回(仙台、日本)が開催された。
第5回、今年の会議は、ソウル市内に位置する、大韓民国を代表する大型のコンベンション・センター「コエックス」にて開催された。学会で発表された研究テーマは、全体で50テーマあり、うち23テーマが口頭発表を行った。

 自身は、グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトにおいて、Flexible Wireless Sensor Nodes for Application in ‘Green’ Sensor Networksというタイトルで、講演を行った。そこでのディスカッションは様々な意見や知見を得られる非常に有益なものであり、今後のプロジェクト推進に対し、非常に役立つ情報が得られた。
Photo of the conference
Photo of the budget




























つくば研究センター 魯 健 

2014年7月2日水曜日

ECTC2014 出張報告(森川)

ECTCはIEEE主催の世界で最大規模の実装技術中心の国際学会である。H25年度に上げたディープエッチングの技術成果の発表と、H26年度NMEMSセンサ実証の為の不可欠なドライエッチング技術についての最新技術情報の収集を行った。

初日はチュートリアルを受講。講師はITRIのJohn Lau氏による3D-IC実装とシリコンインテグレーションについて、最新のレクチャーを受けた。講義ではNEMSMで進めている機能付きシリコンインターポーザの様な、半導体技術を基軸としたSiインターポーザ技術や、樹脂を用いたインターポーザ技術の躍進についても触れられた。インターポーザは現時点、コストが大きな課題である点を説明。NMEMSの場合、さらに微細キャパシタを内臓する為、シンプルなインターポーザと比べるとコストアップとなる。従って新たな工程や材料、或いは成膜技術やドライエッチング技術の開発等で、如何に製造コストを下げるかが非常に重要な課題になることが予想でき、大変有意義な講演であった。

今回グループ(アルバック拠点)から2件の採択を獲得。
5日間での入場者は1170名と多く、実装関連の学会の中では最大級の学会である。

1件目発表はポスター発表で、低コスト化に向けた切り口で、キャパシタ形成における成膜の為のエッチング技術とは何かについて発表。さまざまな分野方面から議論を行えた。TSVエッチング以外にもプラズマダイサーとしての応用にも使えるのではないかといったコメントも多くでた。

2件目発表はノンボッシュのエッチング装置技術について口頭発表。聴講者から、"キャパシタ形成はインターポーザファーストかラストか?これによって温度の影響が違ってくるのでは?"といった的をついた質問も出た。
発表後の休憩時間でのディスカッションで目立ったのは、MEMS関連分野からのコメントで、TSV工程は安くさえできれば今にも採用したといったコメントが多かった。こういった工程のコスト計算専門の企業からもセンサデバイス製造におけるコスト計算をしてみないかと提案をもらう程の反響であった。今回、本NMEMSプロジェクトを通し、低コスト化思想のエッチング開発を行ってこれた点、その開発成果に対して一定の将来性(横展開性)を感じることができた一方、量産工場を意識した工程全体のインテグレーション技術のマネジメントも極めて重要な点も理解できた。

NMEMS技術研究機構、つくば研究センター、分散研 森川 泰宏(アルバック)

2014年6月9日月曜日

ECTC2014出張報告

ECTC2014(64th Electronic Components and Technology Conference)会議は半導体パッケージ技術に関する国際学会研究者が毎年集う世界的な会議である。本会議においてプロジェクトの成果である「3D Integration and Assembly of Wireless Sensor Nodes for ‘Green’ Sensor Networks」について発表し、その評価を得るとともに広報を行い、あわせて関連情報の収集を行った。

ECTC2014の参加人数は最終的に1170人以上に達し、採択論文数は369件であり(口頭発表セッション: 35; ポスターセッション: 5)、採択率は例年50~60%ほど。

ポスターセッションで、当プロジェクトの成果である「3D Integration and Assembly of Wireless Sensor Nodes for ‘Green’ Sensor Networks」について発表した。出張者が発表した内、3×3mm集積化センサノ-ドプロトタイプについては集積化技術と開発する低消費電力・低コスト・高集積化発信用RF-LSIの質問を受け、関心が高いことを確認した。本プロジェクトの成果につき海外に対する広報を行うことができた。そこでのディスカッションは今後のプロジェクト推進に対し、有益な情報が得られた。

The photo of the Exhibition Hall

 Photo of my poster in ECTC2014


























つくば研究センター  魯 健



2014年5月19日月曜日

ナノ・マイクロビジネス展でプロジェクトの成果展示およびセミナーを行いました

「ナノ・マイクロビジネス展2014」において本プロジェクトの成果の展示とセミナーを行いました。(主催:(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/技術研究組合NMEMS技術研究機構)。
 今年度のセミナーでは、プロジェクトの成果を報告する他に、特別講演として、パナソニックから、「パナソニックのエネマネ」という題目で、HEMSの取り組みを中心にエナジーシステム事業部新事業センター長の磯崎様から、そして、大成建設から、「大成建設のセンサ技術を活用した省エネの取り組み」というタイトルでBEMSの取り組みを中心に環境技術開発室長の小林様からご講演をいただきました。
 また、日本政策投資銀行の企画調査課長の大来様より「センサーを軸とした国際競争力強化の提言」というタイトルでセンサネットワークビジネスのあり方を中心にご講演をいただきました。 センサを用いた省エネの取り組み、そしてビジネスモデルのあり方といった省エネ手法、産業発展に向けた内容であり会場はほぼ満員で関心の高さが伺えました。
 セミナーの後半では、グリーンセンサ・ネットワークプロジェクトの成果として、つくば研究センターの伊藤センター長より、「見えた!グリーンMEMSセンサ端末の姿」と題し、各グリーンセンサ、高感度受信機、およびコンセントレータの開発状況について報告を行い、最後に大岡山研究センターの開発成果について、谷岡センター長より、「出来てきた!ファブリック型自立電源」と題し、有機半導体のナノファイバー化、電源モジュールの試作について報告を行いました。
 また、NMEMSのブースでは、プロジェクト最終年度ということもあり、グリーンセンサ端末が多く展示されており、各テーマのパネル・展示物を見に来る来訪者も多く、プロジェクト成果の詳細、省エネ手法を議論する場として盛り上がりを見せていました。 特に、中央では赤外アレイセンサを用いた人・温度センサを用いて、簡単に空調省エネができる実証デモを行い大いにもりあがりを見せていました。 本プロジェクト最終年度に突入しており、グリーンセンサ端末を用いた省エネ実証のステージに突入していきます。実際のデータ収集等を通じて、メンテナンスフリーの無線MEMSセンサの特徴・省エネ効果等を分かりやすく発信していきたいと思います。 本部 今本 浩史

2014年2月3日月曜日

MEMS2014 出張報告 

MEMS技術に関する世界最大級の国際学会である、MEMS2014に参加してきました。
(2014/1/26~30、 http://www.mems2014.org/ ) 
学会には約750名が参加。投稿数も2012年に続く過去2番目と、非常に活気のある学会でした。

私は、ポスター発表で赤外線センサに関する技術成果を発表。省エネ向け人感センサ向けに最適化された、①サーモパイル式赤外線センサ素子構造設計(S字型)、②低コストと高感度を両立するためのウェハレベル真空封止構造、を中心に発表を行いました。

ポスター発表では、人検知のデモ動画も利用した発表を行うことで、今回の成果を十分に伝えられました。

オムロン株式会社 田中純一 

2014年1月24日金曜日

PowerMEMS2013 出張報告


ロンドンにおいてPowerMEMS国際会議、日英エネルギーハーベスティングがあったので報告する。前者においては全体的な印象として、エネルギーハーベスティングに関する発表が多く、かつて本会議で取り上げられた燃料電池やマイクロエンジン、宇宙での推進デバイス等の発表が激減した。またエネルギーハーベスティングについても、携帯電話用電源に関するものは減り、センサネットワークに関する発表が増えている。このことはエネルギーハーベスティングが携帯用途のmw級の発電には適用が難しいことを示しているのかもしれない。また体内留置型デバイス用のグルコースバイオ燃料電源の開発(グルノーブル大学のチーム)や人工内耳用のピエゾ電源(韓国のKIMM)等のライフ応用も話題のトピックである。全体として圧電、電磁力による振動型発電に関する発表が多かった(約60件のオーラル発表中19件)。
エネルギーハーベスティングの発表が多かったなかで、従来からあるマイクロリアクターやアルコール系の燃料電池の開発も東京理科大学と産総研のチームが継続して発表しており、時流に流されない長期的な地味な研究も評価されている。
POWERMESの会議中に日英エネルギーハーベスティングに関するワークショップが開かれた。これは日英の同課題に関する企業のコンソーシアム同士の意見交換会である。
日英の企業の興味の中心はセンサネットワークの実用化にあるが、応用として通信やセンシングの信頼性に重きを置いているために、ターゲットとする発電量は数百mW程度である。これを達成するとなるとシステム全体が大きくなり、MEMSを必要とするかどうかが疑問となる。筆者はセンサネットワーク関連の開発に関して、話題提供を行った。主たる内容はエネルギーハーベスティングもセンサネットワークにとって重要であるが、センサネットワークシステム(センサや信号処理、通信)の低消費電力化が最も重要であることを指摘した。
滞在中にインペリアルカレッジを訪問した。同校はロンドン内にキャンパスを持ち、欧州の工科系大学ではオランダのアイントホーフェン工科大学とともに常にトップクラスを保っている。国内的にもオックスフォード、ケンブリッジにつぐ有名校である。
今回は同校のMEMSや微細加工を専門とするRichard SYMS教授のグループを訪問した。このグループはもともと光MEMSが専門であったが、現在は主任である同教授が医療用マイクロデバイス、Yeatman教授とHolmes教授がPowerMEMS、Lusyzin准教授がRF-MEMSを担当している。主任であるSYMS教授によれば医療用デバイスは現場に導入するための様々な制度や慣習を乗り越えることが最も困難で、特に病院のような実際に働く人よりも、官僚的な監督者の多い社会ではイノベーションを進めるのが難しいという意見をいただいた。現在同教授はインペリアルカレッジ内の若手の医師を協力することにより、カテーテル型のがん細胞の検出装置を商業化するところまで来ている。アカデミックワールドに生きる大学教授が自己の研究成果を社会に役立てるレベルまで責任をもって開発を行うという責任感の強さに敬意を表したい。
 物価高なうえに寒い場所、かつ食事があまりおいしくないために12月のロンドンは観光には不向きで面白くなさそうな印象を抱くが、せっかくの機会なのでいくつかの写真をお示しする。
1番目と2番目の写真は学会が開かれた会場のそばにあるSt.James公園の風景である。日本の都会は自然と触れ合える機会が少ないがロンドンでは鳥や小動物と身近に触れ合うことができ、市民の憩いの場所となっている。


写真1

写真2

写真3

 
3番目の写真はとまったホテルのレストランのパンフレットである。日本人も外国語を誤用あるいは誤訳して失笑を買うことがあるが、英国でも似たことがあるという事例である。

 
 

写真4
 
最後の写真は比較的新作のミュージカル”I will Rock You”の会場に貼ってあった写真である。12月のロンドンは15時を過ぎるともう薄暗く、観光に適さないところのように思われるが、長い夜をミュージカルに興じたり、パブでビールをたしなむ大人(筆者はそうではないが)にとっては楽しい季節であるかもしれない。
プロジェクト・リーダー 前田 龍太郎

2014年1月10日金曜日

PowerMEMS 2013 参加報告その3

 国際学会PowerMEMS2013(12/3-6)に参加しました。会議の背景は先の二人が記述済みなので、そちらをご参照ください。
 開催地は英国でした。英国といえば、デヴィッド・ボウイ、アーサー・C・クラーク、カズオ・イシグロとクリストファー・プリーストですが、もちろん文学的探究が目的ではありません。今回は、つくば研究センターで遂行中の圧電デバイス開発に関する成果報告と、最新の技術動向の調査を行うため、本会議に参加しました。
 成果発表について、私は会議3日目に口頭発表を行いました。発表の概要は次の通りです。省エネルギーに資するセンサ網へと応用される、圧電薄膜デバイスのための量産技術の開発を行いました。大口径(200 mm) SOIウェハを用いてユニモルフ圧電振動発電デバイスを試作し、圧電特性を評価しました。双極性パルス分極法による発電量の向上について分析しました。
 以上の発表について、圧電特性の向上のための分極処理における支配的な因子はどれかや、他の因子を検討しているか、などの質問があり、当該技術への関心の高さが確認できました。研究の動機が高まり、また嬉しさを感じました。発表のあとに、このように自分の研究に関心をもって話をしてもらえるのは技術者の喜びと思います。
 会議全体に対する感想について。とくに環境発電素子に関する発表を注意深く聞きましたが、素子自体の改良は落ち着きつつある印象を受けました。電力をどのように貯めて、効率よく使うのか、という回路の研究へ比重が移りつつあるようです。
 また個人的に興味深かった発表として、STMicroelectronics(France)のStephane Monfray氏より、CMOSコンパチな技術で作製する熱-機械-電気変換素子に関する発表がありました。パッケージングまで含めた総コストを低くできることが売りであり、またこの技術戦略は同社の得意なやり方であります。その産業的可能性に興味を引かれましたし、自身の企業の哲学に基づいた研究で格好いいなと感じました。


開催場所The Royal Societyは英国科学の殿堂なので
有名人の写真や肖像画がたくさん掛けてあります
(さてこの方々は誰でしょう?)

口頭発表中の筆者

発表のあとの食事は格別です

つくば研究センター 森脇 政仁