2014年11月17日月曜日

IEEE sensors 2014 に参加


 スペインのバレンシアで開かれた IEEE sensors 2014 に参加し、動向調査および口頭ポスター発表等討議を通じて成果普及に努めた。当会議は、センサに関するすべて(材料加工法、デバイス、システム)の国際会議である。MEMS系以外の比較的大きなセンサも対象としており、参加者も通常のMEMS会議に比べて数百名を大きく超える、相当に大規模な会議である。大きな会議であるために6つのパラレルセッションとなっており、聴講したい講演時間がバッティングすることが多いのが欠点である。

  キーノート講演はMITのSenceable CityラボのRatti教授、デルフト大学のZant教授、奈良先端科学技術大学の太田教授の3件であった。Ratti教授の講演はいわゆるビッグデータのスマートシティへの適用についての研究の紹介である。大変ホットな話題ではあったが、研究というよりもさまざまなビッグデータ活用事例が立て続けに紹介されたために技術的なポイントが聴衆には理解されにくい印象であった。Zant教授の講演はグラフェンのセンサ技術への応用についてであり、将来の潜在的な応用例が紹介された。何をターゲットとするかについてがこれからの課題である。太田教授の講演は人工網膜に関してであり、今後の期待が大きい技術であるが、そもそも実用化が可能なのかどうかは判断の難しいテーマであろう。

 NEDOセンサネットワークプロジェクトと類似したプロジェクトとして、欧州のスマートシティ用のワイヤレスセンサネットワークの紹介があった。欧州各国が参加しており、特に都市の大気汚染のモニタリングが各国の主要なテーマであった。今後欧州のプロジェクトとは何らかの連携が必要と感じた。大気中センサノードのガスのセンシングが中心であるために、現状は10cm角以上の大きいものであり、製造技術的には見るものが少ないが、数多くの国の、複数の分野の研究者が協力してネットワークづくりに尽力してることが評価される。これらの他にワイヤレスセンサネットワークは複数のセッションで取り扱われており、防災については京都大学が、農業応用についてはスペインやイタリアの研究機関が多数の発表を行っており、今後の発展が期待される。


                                           前田 龍太郎
                                         (2014.11.02~11.06)
                                                                         
                 

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