2013年12月27日金曜日

Power MEMS 2013参加報告 その2

PowerMEMS2013に参加してきました。PowerMEMS(The 13th international conference on micro and nanotechnology for power generation and energy conversion applications)は、2000年に日本で発足された国際会議で、13回目を迎える今年はイギリスのロンドンでの開催でした。PowerMEMSは、エナジーハーベスターを主とした発電、エネルギーシステムに関連する研究に関する会議です。日本からの参加者が多く、日本人は国単位では全体で2番目の参加人数でした。
ロンドンは曇りや雨が多いと聞いていたのですが、学会期間中はほとんど晴れており気温もそこまで寒くないという過ごしやすい気候でした。


今回はつくば研究センターにて行っているセンサ開発の成果報告と、最新の技術動向の調査を行うため、本会議に参加してきました。
成果発表に関して、私は会議2日目にポスター発表を行いました。圧電体カンチレバーを用いた圧力センサというところに多くの方に興味を持っていただき、「どういった原理で圧力を検出するのか?」という質問から、「アプリケーションは何か?」といった質問まで、幅広い議論ができました。


技術動向調査に関して、本会議ではエナジーハーベスターの発表がとても多く、圧電体カンチレバーを用いた発電技術についても多く発表されていました。私のセンサにも活かせる内容も多く、有益な知見を得ることができました。

また、個人的に興味深かった発表は、”Development and Characterization of Piezoelectric Artificial Cochlear with Micro Actuator Mimicking Human Cochlear"という、圧電体を使って人の蝸牛を模倣する技術についての発表です。圧電体センサのアプリケーションの一つとして、非常に面白い内容でした。

休憩中の講演会場
発表したポスター(図書室でのセッションでした)
朝焼けのロンドン市内



つくば研究センター 海法


2013年12月18日水曜日

プロジェクト成果に注目度が急上昇


 日経BP社のTech-On!サイトにプロジェクト成果発表(ナノ・マイクロビジネス展)の解説記事「貼るだけ1000円センサ、実証から実用へ」 が掲載されて以降、多くの企業・研究機関・プレス等から問い合わせや取材を受けており、注目度が急上昇したことを実感しております。



 さて、プロジェクトの進捗ですが、各センサの動作検証もほぼ完了し、平均消費電力100μW以下でセンシング・無線送信するセンサ端末の試作、実証現場に適した通信方式・自立電源の蓄電仕様等について、プロジェクトのユーザ企業(セブン-イレブン、ダイキン工業、東京電力、東光電気、高砂熱学工業)や実際にデータ計測の現場を提供して頂いている企業からの意見を踏まえ、検討を行っております。

 さらに、センサ端末の信号処理・無線通信回路・自立電源が各グリーンMEMSセンサで共通に使えるように、電源電圧、消費電力、計測間隔等の整理・議論も進めています。

 来年4月のナノ・マイクロビジネス展(http://www.micromachine.jp/)では、グリーンセンサ端末の最終形態および省エネ実証現場に適したネットワークシステムの姿をお見せしますので、どうぞご期待ください!

(逆水@NMEMS技術研究機構)

2013年12月16日月曜日

Power MEMS2013

Power MEMS2013 は、国際的に関心が高まっているマイクロパワー源に関して、毎年、開催されているワークショップであり、マイクロエネルギー技術において、最も有名な国際会議である。
今年は、12月3日~6日の4日間、イギリス ロンドンで開催された。
本会議では、様々な分野で活躍されている学術界と産業界の専門家が一堂に会し、マイクロパワー源やマイクロエネルギー技術の開発及びアプリケーションなどの焦点を討議した。                                                                                                                                                                                                                                                      
私は、研究テーマの発表および関連技術の情報収集を目的として参加した。
本プロジェクトにおいて、
「Micro-fabrication of flexible coils with copper filled through polymer via structures」と題し、ポスター発表を行ったところ、 多くの関心が寄せられ、様々な意見や知見を得られた。  


Photo in the poster exhibition hall
     つくば研究センター 祝 清省

2013年11月18日月曜日

IEEE SENSORS2013

IEEE SENSORSは世界のセンサー・MEMS専門家が多く集まるの学会である。センサーならびに関連分野(材料、システム、応用)に関する世界最大規模の国際会議であり、欧州/アフリカ、アジア/太平洋地域, アメリカの3地域の持ち回りで毎年開催されている。今年は、その12回目の開催として11月4日から6日の3日間、アメリカのボルチモアに開催された。

本プロジェクトにおいて、「Towards the World Smallest Wireless Sensor Nodes with Low Power Consumption for ‘Green’ Sensor Networks」と題して、開発した3nd-Prototypeの3X3mm角温湿度センサ端末を評価・機能検証に関する発表を行った。そこでのディスカッションは様々な意見や知見を得られる非常に有益なものであり、今後のプロジェクト推進に対し、非常に役立つ情報が得られた。




運営委員発表によると投稿件数は951件で、うち530件の採択が行われたとのこと(採択率56%)。発表の内訳としては、オーラル252件、ポスター278件。採択された発表を国別でみると、アメリカ200件で最も多く、次いで中国46件、ドイツ41件、、日本39件という順番であった。

つくば研究センター 魯 健

2013年11月15日金曜日

第30回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム参加報告

2013年11月5日~7日にかけて、第30回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムが仙台で開催されました。
このシンポジウムに、研究開発項目①「グリーンMEMSセンサの開発」に関連した研究発表及び、本プロジェクトに関係した技術の情報収集を行い、今後の研究へ反映することを目的として参加してきました。

ポスターでの成果発表でしたが、説明時間2時間中ほぼ途切れることなく20人以上の方と議論を行うことができ、多くの方に成果をアピールすることができました。質問事項としてはアプリケーションに関する内容が多く、本センサで以下に消費電力が下げられるかということを説明しました。

情報収集の面では、圧電体(PZT)に関するセッションもあり、性能向上の面で我々が開発している圧電体カンチレバーにも大いに参考になるような情報を収集することができました。

また、今回のシンポジウムはマイクロ・ナノ工学シンポジウム及び集積化MEMSシンポジウムと同時開催であったため、幅広い分野のセッション・招待公演がありました。そのため、上記圧電体のみならずバイオ・医療の分野など多岐にわたるセンサ技術について勉強することができました。


つくば研究センター 海法

2013年10月31日木曜日

ECTC 2013 (IEEE the 63rd Electronic Components and Technology Conference 2013)

NMEMS活動成果を発表するとともに、実装技術を使ったセンサデバイス製作の為の最新情報を入手を目的として、MEMS・実装デバイス世界最大の国際学会ECTC 2013(米国)に参加した。
                
5/28:
Session 2 3D Materials and Processing

「Development of 3D Through Silicon Stack (TSS) Assembly for Wide IO Memory to Logic Devices Integration」
Dong Wook Kim, Qualcomm Technologies.

・Logicが1番下層で、上にDRAM3層の計4層モデル:JEDEC standard 4 channel。
・直径5um×50um。
・工程:Via middle
・アセンブリコスト比較として:
W2Wはスループット。収率依存大。Dieミスマッチ:許容無し。
D2Wはスループット悪い。収率依存低い。Dieミスマッチ:許容有り。
D2Dはスループットそこそこ。収率依存低い。Dieミスマッチ:許可。
→D2Dを採用。
・信頼性試験:1000回の温度サイクル試験後、バンプ接合部のクラック等のエラー無し。

「Investigation on the Properties and Processability of Polymeric Insulation Layers for Through Silicon Via」
Songfang Zhao, Chinese Academy of Sciences

・熱ストレス課題対策に対して、絶縁膜ライナーにポリマー膜を使う事で対策目的。
・膜評価は:FTIR、熱重量分析、示差走査熱量測定、誘電率、接触角度、光顕、SEM。
・材料は2種。
linear o-crosel phenolic (LOPF)。茂膜方法はスピンコート。コート後、115℃ソフトベーク種。
・高アスペクト比TSV内への絶縁膜均一成膜は難しい。IMECは2010年のIITCでスピンコートのポリマ絶縁の報告をやっている。
・TSV:φ20um×100umのA/R5に成膜。field:8.3umに対して,サイド3.67um。44%。
・比誘電率:3.8、誘電損失0.023@1MHz。

Session 8

「Reliability Characterization of Chip-on-Wafer-on-Substrate (CoWoS) 3D IC Integration Technology」Larry Lin, Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.

・CoWoS(Chip on Wafer on Substrate):TSMC特有の呼び方で2.5Dの事。
・TSV:φ10um×100um。
・電気特性:μBumpと Al pad のコンタクト抵抗を改善することで大幅に改善。

5/30:
Session 13

「Dielectric Stack Engineering for Via-Reveal Passivation」
Kath Crook,SPTS Technologies

・Viaバックサイドのパッシベート用PE-CVD。
・量産向け:3フープ最大6チャンバ。内1チャンバはデガス。
・SiN~SiO2の2層を190℃以下で成膜できると発表。
・Ptatenはair coolingで200℃以下に温調。
・SiNはアンモニアフリーで成膜できる。
・バイアスに13.56MHz。加えて低周波(375-380 kHz)を重畳乃至は独立で印加できるシステム。
・ブレイクダウン電圧:7MV/cm@10-8A、ストレス-150MPa。成膜温度190℃。
・膜のストレス経時変化について考察。ストレス変化は成膜時の水分が原因と考察。チャンバ内の水分を無くすため、デガスチャンバで基板をソフトベークしてから成膜。経時変化フリーを得た。

「Total Cost Effective Scallop Free Si Etching for 2.5D & 3D TSV Fabrication Technologies in 300mm Wafer」
NMEMS/ ULVAC森川発表

・NMEMS成果のノンボッシュエッチングに加えて、アルバック蒸着重合Polymer成膜も紹介。ノンボッシュ平滑エッチングで表皮効果によるロス低減を提案。その結果、ポリマーで比誘電率の低い膜ができれば次世代GHz向けTSV電極に有用と提案。
質疑応答1:平滑エッチングでコスト削減できるのはスパッタの工程を指すのか?⇒そうです。
質疑応答2:CVDやVDPはどこでコスト削減なのか?⇒平滑側壁とテーパ角のエッチング形状で、成膜コストが削減できる。これはPVDも同じ。VDPは高アスペクト比向け成膜装置で比較すると、材料特性以外にCOOとしてもメリット見込めると考えている。
質疑応答3:ノッチフリーは具体的にどうやっているのか?⇒エッチング後半でステッププロセスを導入し、最適化するとノッチフリーが実現する。ハードウエアとしては、バイアスとRFアンテナが各々独立制御できる事がプロセマージンを広くする。

5/31:最終日
Session 19 Interposer Characterization

「Power Comparison of 2D, 3D and 2.5D Interconnect Solutions and Power Optimization of Interposer Interconnects」
M Ataul Karim1,SEMATECH Inc.

・従来のDDR3(TSV無し):15.6mW/Gbps。DDR3×3層(TSV無し):9.6mW/Gbps。Wide i/o interposer:2.1mW/Gbps、Wide i/o TSV:0.5mW/Gbps。
・2.5Dでも十分低消費。積層は1/30と試算された。

Session 20 Challenges in 3D Integration

「Integration Challenges of TSV Backside Via Reveal Process」
Bo Kai Huang, Siliconware Precision Industries Company

・シリコンエッチングバック技術:SF6でエッチバック。中心がレート速い傾向で、±15.8%。
・ストレス制御をきちんとしないと、Cuとシリコンの角部でクラック入る。応力最適化することでクラック改善。ここはTEOS SiO膜のみ。SiN膜は無し。

「Package-on-Package with Very Fine Pitch Interconnects for High Bandwidth」
Ilyas Mohammed, Invensas Corp.

・微細ワイアボンドを使ったTSV生成方法。去年のIMAPSでも発表していた。
・課題はワイヤボンドとはんだとの信頼性。密着性保持の為の表面クリニングにプラズマ処理を採用。

「Design and Fabrication of Ultra Low-loss, High-performance 3D Chip-chip Air-clad Interconnect Pathway」
Erdal Uzunlar, Georgia Institute of Technology

・TSV形成、CMPで面出し後、ウエットでSiO2絶縁膜を除去。Cu電極は下地に密着しているので外れない。
・製作の信頼性に課題あるとしつつ、高周波向けにはこの構造が理想とコメント。

「Development of Ultra-Low Capacitance Through-Silicon-Vias (TSVs) with Air-Gap Liner」
Qianwen Chen,Institute of Microelectronics, Tsinghua University

・ドーナツ状にトレンチエッチング。溝にBCBを埋め込みCMPでフラット面出し。露出したドーナツの中心シリコンをドライで除去しCuメッキ。最後にBCBをエッチングして空洞化する工程。


分散研 森川 泰宏

2013年9月11日水曜日

ICEPT2013国際会議

8月11~14日に大連で開催されたIEEEの電子パッケージング技術国際会議(The IEEE International Conference on Electronic Packaging Technology、略称IEEE ICEPT)は、IEEEの主催で1998年から毎年中国で開催されており、電子パッケージングとMEMS技術において中国国内でも権威のある国際会議の一つである。電子分野で活躍している学術界や産業界の専門家が一同に会し、パッケージング、MEMSデバイス、設備および産業化等について討議した。
   私は研究テーマの発表および関連技術の情報収集を目的として参加した。 

                                                                                                                 
本会議では、貫通ビアおよび3Dパッケージング技術に関しての発表が多く、また企業からの発表も多い印象を受けた。特に、中国の大手メーカー(Hua wei社、JCAP社など)からは、貫通ビアおよび3Dパッケージング技術への高い関心が見受けられた。



私が発表した研究テーマ「Periodic Pulse Reverse Copper Filling for Void-Free Through-Via Filling」にも、多くの関心が寄せられ、有意義な議論を行うことができた。


Microelectronic Workshop on Packaging Materials and Technologyy:

 8月14~15日、瀋陽にある中国科学院金属研究所にて開催された。
中国科学院金属研究所は、新材料の開発を中心に最新のデバイスおよびパッケージングの開発にも投資を増やしている。今回のWorkshopには、パッケージング材料、プロセスおよびデバイスの専門家が集まり、アプリケーションによるセンサーのパッケージングと材料の開発について議論が行われた。
私は、研究テーマである「Void-free filling of vias in polymer and silicon」を発表し、参加者からは、研究内容への関心だけでなく、NMEMS技術研究機構のポリシー、研究体制およびマネージメントに関しても多くの興味が寄せられた。中国若手研究者たちの製品開発に向けてのモチベーションに貢献できたのではないかと思われる。


 つくば研究センター 祝 清省

2013年8月28日水曜日

2013 Joint UFFC EFTF and PFM symposium参加

2013 Joint UFFC EFTF and PFM symposiumはIEEE Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control Society (UFFC)、International Frequency Control Symposium – European Frequency and Time Forum (IFCS–EFTF)、International Symposium on the Applications of Ferroelectrics – Piezoresponse Force Microscopy Workshop (ISAF–PFM)の合同シンポジウムです。強誘電体や圧電体に関する国際学会で、7/21~25を会期としてチェコのプラハで開催されました。

研究開発項目①「グリーンMEMSセンサの開発」に関連した研究発表及び、本プロジェクトに関係した技術の情報収集を行い、今後の研究へ反映することを目的として2013 Joint UFFC EFTF and PFM symposiumへ参加しました。

エナジーハーベスターではPZTの発表が、多く見られました。その一方で、EPFLのMuralt先生はPZTとともにAlScN薄膜にについて報告されていました。AlNのAlの一部をScに置換することで高い圧電定数を得ることができ、かつ誘電率はゆるやかな増加にとどまるこということで、エナジーハーベスターへの応用が期待されるということでした。我々のセンサもAlScNを使用することで、高感度化が期待できます。

つくば研究センター 富松

2013年8月20日火曜日

ナノ・マイクロビジネス展でプロジェクトの成果展示およびセミナーを行いました

 「ナノ・マイクロビジネス展2013」において本プロジェクトの成果の展示とセミナーを行いました。(主催:(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/技術研究組合NMEMS技術研究機構)。

 今年度のセミナーでは、プロジェクトの成果を報告する他に、特別講演として、国立環境研究所藤野主任研究員から、「持続可能な社会への入り口としての低炭素社会とセンサの役割」という題目で、アジア地域の低炭素社会シナリオ作りの状況について紹介して頂きました。 続いて、GSNプロジェクトのメンバーである東京電力から「センサネットワークを活用した東京電力のエネルギーコンサルティング」という題目で、プロジェクト成果を用いた省エネ・コンサルティングビジネスへの展開について紹介頂き、セブン-イレブン・ジャパンからは「スマートセンサー 流通ビジネスへの展開」という題目で、プロトタイプの無線センサをコンビニに設置して、エネルギーや環境のモニタリングを行ってきて、見えてきた省エネやビジネスへの効果をご紹介いただきました。センサを使ったビジネスモデルの紹介ということもあり、200人が入る会場は満席、その後方のラウンジから講演を見ている人々も多く、関心の高さが伺えました。

 セミナーの後半では、グリーンセンサ・ネットワークプロジェクトの成果として、つくば研究センターの伊藤センター長より、「見えてきたグリーンMEMSセンサ端末の姿」と題し、各グリーンセンサ、高感度受信機、およびコンセントレータの開発状況について報告を行い、最後に大岡山研究センターの開発成果について、谷岡センター長より、「センサーネットワークシステムにおけるナノファイバー自立電源の開発」と題し、有機半導体のナノファイバー化、電源モジュールの試作について報告を行いました。NMEMSのブースに各テーマのパネル・展示物を見に来る来訪者も多く、プロジェクト成果の詳細、省エネ手法を議論する場として、こちらも大いに盛り上がりを見せていました。

 来年は、プロジェクト最終年度になるため、グリーンセンサ端末の最終形態、それらを使ったデータ収集デモ等を通じて、メンテナンスフリーの無線MEMSセンサの特徴・省エネ効果等を分かりやすく発信していきたいと思います。

 なお、本セミナー、プロジェクト展示は日経BP社の取材を受け、講演の内容について同社サイトに順次掲載されていますので、ご参照ください。

    「スマートセンサー 流通ビジネスへの展開」セブンイレブン・ジャパン
     http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20130730/295260/

    見えてきた「バンソウコウ・センサ」、1枚1000円で貼るだけ
     http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130705/291113/


国立環境研究所 藤野主任研究員
東京電力 カスタマーサービス・カンパニー 法人営業部 宮内課長代理
セブンイレブン・ジャパン 三谷常務執行役員

つくば伊藤センター長
大岡山谷岡センター長
展示ブース










 
 
 
 


 

2013年6月20日木曜日

ECTC2013参加

ECTC(Electronic Components and Technology Conference)は半導体パッケージ技術に関する世界最大の国際学会で、第63回めを迎える今年は5月27日~31日を会期としてアメリカのラスベガスで開催されました。5月末とはいえ、最高気温は40℃、最低気温でも25℃と非常に暑かったのが印象的でした。

研究開発項目「②無線通信機能及び自立電源機能を搭載したグリーンセンサ端末の開発 (3)グリーンセンサ端末機能集積化および低消費電力無線通信技術の開発」に関連して、集積化技術に関する研究成果の発表および関連技術の情報収集を目的として参加しました。

興味深かった発表としては、Intelより"Embedded Capacitors in the Next Generation Processor"という報告がありました。サーバー向けマイクロプロセッサのパッケージ基板にキャビティを形成してキャパシタを埋め込み、その評価結果が報告されました。埋め込むことでチップ~キャパシタの距離を短くでき、高周波領域における電源供給時のインピーダンスを低減し、パッケージ全体でのキャパシタンスが増えました。これにより、マイクロプロセッサに対して効率的な電源供給が可能となります。

分散研 善見

2013年5月28日火曜日

DTIP2013参加その3

DTIP2013に参加しました。
学会の詳細に関してはすでに他の方が説明されているので割愛しますが、報告のあった研究テーマとして、実装系から信頼性技術、エナジーハーベスターからバイオ関連と、様々な分野からの報告がありました。また地域で見ると、中東やアフリカなどいままであまり接する機会のなかった地域からの報告もあったのが非常に興味深かったです。

学会では、研究開発項目「②無線通信機能及び自立電源機能を搭載したグリーンセンサ端末の開発 (3)グリーンセンサ端末機能集積化および低消費電力無線通信技術の開発」に関連して、大口径300mmウェハにTSVインターポーザを形成するプロセス開発と、そのプロセスばらつきおよび電気特性評価に関して報告しました。
質疑応答では、どのような設備で評価を行ったのかという質問がありました。また今後デバイスを集積化していく上で、CPU/GPUなど発熱の大きいチップを搭載するには、チップ冷却などの熱管理が重要になってくるがどのようにするのか、という質問がありました。要素技術部分よりも信頼性部分に関する関心が高く、今後は集積化後の信頼性評価などを重視して研究を進めようと思います。

分散研 善見

2013年5月6日月曜日

DTIP2013参加その2

グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトのうち、研究開発項目①「グリーンMEMSセンサの開発」に関連した研究発表及び、本プロジェクトに関係した技術の情報収集を行い、今後の研究へ反映することを目的としてDTIP2013へ参加した。

「Measurement of an airflow velocity change using a cantilever with Pb(Zr, Ti)O3」と題して、塵埃センサに搭載予定のトリガーセンサに関する発表を行った。

報告者が注目した発表について詳細を報告する。
タイトル:Pyroelectric PZT sensors screen printed on glass
本発表は、スクリーン印刷で成膜したPZTを用いた焦電センサに関する発表である。スクリーン印刷は数十μmの厚い膜を成膜することができる技術である。本発表では、アニールの温度や得られたセンサの特性の評価結果について報告されている。得られた膜の焦電係数は67μC/m2kと低い値であったが、焼成温度を高くすることで改善が可能である。また、作製されたデバイスは周囲の温度変化に追随した信号出し、焦電センサとして機能することが確認された。焦電型のセンサは、原理的には電力を使わずに温度変化を検出することができ、省電力が必要とされる無線センサ端末には適したセンサといえる。
本発表で使用されているスクリーン印刷技術は、厚膜のPZTを成膜するには優れた技術であり、今後が期待される技術である。






つくば研究センター 富松 大

ISSNIP2013参加

ISSNIP(Network on Intelligent Sensors, Sensor Networks and Information Processing)は、2004年に発足された国際会議で、8回目を迎える今年はオーストラリアのメルボルンでの開催となった。ISSNIPは、センサネットワーク、特に健康、環境、セキュリティなどのアプリケーションに関する情報処理などの技術にに関する国際会議である。数学、統計学、コンピューティング、生物学、電気工学、機械工学などの多岐にわたる分野の研究者が集まる。
本ワークショップにおいてグリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトのうち、研究開発項目①「グリーンMEMSセンサの開発」に関連した研究発表及び、本プロジェクトに関係した技術の情報収集を行い、今後の研究へ反映することを目的としてISSNIP2013へ参加した。

「A wake-up switch using a piezoelectric differential pressure sensor」と題して、塵埃センサに搭載するトリガーセンサに関する発表を行った。非常に面白いディスカッションができ、今後の研究開発に役立つ知見を得ることができた。

また、ISSNIPは、情報処理に関するセッションが多く、本プロジェクトでは、実証実験に近いような話もあったので、次回は研究開発項目③の方々にぜひとも参加して、有益な情報を得ていただければと思います。

学会会場

つくば研究センター 富松 大

2013年4月24日水曜日

DTIP2013参加

DTIP(Symposium on Design, Test, Integration & Packaging of MEMS/MOEMS  )は、1999年より主にフランス近郊の都市で毎年開催されるMEMsおよびMOEMSに関する国際学会である。15回目となる今回は、2013年4月16日~18日を会期としてスペインのバルセロナで開催された。
本学会においてグリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトのうち、研究開発項目② 「自立電源及び無線通信機能を搭載したグリーンセンサ端末」に関連した研究発表及び、本プロジェクトに関係した技術の情報収集を行い、今後の研究へ反映することを目的としてDTIP2013へ参加した。

会場風景
「Assembly of Super Compact Wireless Sensor Nodes for Environmental Monitoring Applications」と題して、開発した2nd-Prototypeの5X5mm角温湿度センサ端末を評価・機能検証に関する発表を行った。そこでのディスカッションは様々な意見や知見を得られる非常に有益なものであり、今後のプロジェクト推進に対し、非常に役立つ情報が得られた。

つくば研究センター 魯 健


オリンピックハーバー

有名な生ハム

2013年4月18日木曜日

電気学会誌(2013年4月号Vol.133)にグリーンセンサネットワークシステムの技術紹介をしました

内容は 「自立型MEMSセンサネットワークを活用した省エネルギーの取り組み」 です。

エネルギーマネジメントが重要な課題の昨今、センサネットワークは有力なツールであるが、センサの大きさ、コスト、設置工事の負担、また、無線化には電力消費量やメンテナンスの必要性が課題となり、予期されたほどの普及はありません。
そこで、無線通信機能、自立電源機能、超低消費電力機能を搭載した普及型無線センサ(-ばらまける-)端末の技術開発をし、更にはセンサネットワークの導入による環境計測やエネルギー消費量等の見える化・最適化を可能とする省エネ実証の取り組みの紹介です。
 
 下記、5つのテーマについて報告されています。


 1. 「グリーンセンサネットワークプロジェクト」の取り組みと課題
        (独)産業技術総合研究所 伊藤 寿浩   前田 龍太郎


 2.  省エネルギー化に向けた空調制御の取り組みとセンサネットワーク
        ダイキン工業(株) 西野 淳   橋本 哲
 
 
 3.  環境センシングデバイスの開発
        オムロン(株) 本多 祐仁   田中 純一
 
 
 4.  室内照明による高効率環境発電デバイスと自立電源の開発
        ローム(株) 奥 良彰
 
 
 5.  センサネットワーク用低電力アナログフロントエンド回路技術の開発
        (株)日立製作所 藤森 司


2013年3月15日金曜日

グリーンセンサネットワークプロジェクト-2年間をふりかえって-


 本プロジェクトが発足して2年度が終了する。

思えば本プロジェクトはグリーンセンサネットによる電力モニタリングおよびその省エネへの応用という形でスタートした。近未来のエネルギー問題の課題解決を狙っていたが、プロジェクト直前の震災発生とそれに伴う電力危機を迎え、まさに直面する国家的課題に挑戦するテーマとなった。

 この2年の間にコンビニエンスストア2000店舗弱へグリーンセンサネットを設置し、大規模社会実験で省エネの実証を行った。また各種センサの微細化、低コスト化やセンサシステムの省エネ化等の要素技術も着実に成果を上げつつある。

 また省エネ以外の社会課題である国土強靭化、農業の競争力強化、医療等への応用の検討が始まろうとしている。微細な無線端末が社会の隅々を見守り、実り豊かな国民生活に貢献する未来社会の到来は遠くない。

 プロジェクト・リーダー 前田龍太郎