(つくば研究センター長 伊藤 寿浩)
2011年から2014年度までの4年間に亘る国/NEDOプロ:グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトの活動の歩みを記録するブログサイト。17企業・研究機関などが参画する技術研究組合NMEMS技術研究機構が運営します。なお、プロジェクトのHPサイトも別途用意しております。
2012年5月9日水曜日
DTIP2012に出席して
DTIP(Symposium on
Design, Test, Integration & Packaging of MEMS/MOEMS)は、1999年のパリでの第1回開催から数えて14回目を迎えるが、IEEE CPMTが共催していることからもわかるように、もともとはMEMSの集積化・実装に力点を置いた国際シンポジウムであると理解している。今回は開催場所がカンヌ・コートダジュールということで、周辺からは「(本当は)何しに行くのか」と随分うらやましがられたし、参加を勧誘したドイツの知り合いからは「場所が良すぎるからと上司が出張を許可してくれない」という返事があった(おかげで彼の論文を代読すること破目になった)。しかし、出席してみると実際にはこの時期(開催は4月25-27日)のカンヌはある意味大変会議に向いた場所である。というのも、まず町がコンパクトでいわゆる観光スポットのようなところは皆無であり(黒沢明監督の手形くらいか?)、たとえ町をぶらぶらしても、ものの2~3時間もあれば事足りてしまうし、売りのビーチもまださすがに早い。というわけで南仏の太陽の下、缶詰状態で会議に参加したわけであるが、ここではMEMS国際会議(以下MEMS)と比較も交えながら、出張報告をしたいと思う。
規模で言えば、DTIPはMEMSに比べ発表件数で1/4程度、出席者数では1/7~1/8であり、非常にコンパクトでアットホームな会議である。冒頭に述べたように、DTIPがMEMSの集積化・実装に重きを置いた会議であることを考えれば、ある意味順当な規模とも言える。MEMSは採択率が30%以下という異常に人気の高い学会であるが、この低い採択率を勝ち抜くためには新奇かつ斬新なアイデアが必須であり、実装分野の研究やMEMSデバイス・加工技術が多くの技術要素の一つまたは一部であるような、GSNプロジェクトのようなシステム系の研究は旗色が悪い。そういう意味でいわゆる渋いテーマを扱うDTIPはある意味で貴重な存在である。ところで、MEMSの集積化・実装をめぐる議論は10年以上前から本質的には変わっていないと感じている。“実装はしばしば製造コストの大部分を占めることになりかねず”、それ故“実装はデバイス設計時から一緒に考えなければいけない”と言われているわけであるが、今回の招待講演で講演したスタンフォードのKenny教授をはじめ、何人かの著名なMEMS研究者が述べてきたように、「論文が書きにくい渋いテーマなので大学(や研究所)で研究テーマとして取り上げられない」こともあって、学会の議論としては堂々巡りの感がある。ただし、この会議に出席して、ここ5年でビジネスの世界では、この議論に終止符が打たれたのかもしれないとの認識をもった。主にコスト的な要因で「回路を一体的に形成するモノリシックMEMSはコンシューマー用途には向いておらず、回路は別につくり半導体実装技術で集積化するハイブリッドMEMSが現実的である」ので、「MEMSの実装技術は、いかに機械構造体を守る蓋を形成するかに絞られる」が、「多くの場合接合で蓋をするのは高コストであるので、モノリシック的に蓋を形成できるのが良い」ということのようである。もちろんこれはSi-MEMSの世界の話であるが、会議で比較的多くの発表があったポリマーMEMSやフレキシブル基板上のMEMSについても、実用化を考える以上、同様の考え方をすべきであろうが、半導体実装技術が適用できるかという観点での検討は未だ不十分との印象を持った。
GSNプロジェクトは、開発したMEMSデバイス(グリーンMEMSセンサ)の端末(ノード)への搭載、さらには端末を使ったネットワークシステムによる実証まで想定している以上、デバイスの開発段階で、ハード的にもソフト的にも“実装”を考慮せざるを得ないプロジェクトである。まさに、長年示唆されてきたように、デバイス設計段階で実装も検討しているわけである。会議に参加して様々な技術の話を勉強しながら、GSNプロジェクトは、新しいMEMSの(実装・集積化)研究としても、貴重かつ重要な取組みであると改めて確信できた。技術内容調査はもとより、そういう意味でも、実り多い調査であった。
(つくば研究センター長 伊藤 寿浩)
(つくば研究センター長 伊藤 寿浩)
2012年4月18日水曜日
dMEMS2012参加報告
フランスのブザンソンで、開催されたdMEMS2012に参加してきました。
ワークショップの詳細はすでに報告されているので、気になった講演について報告します。
二日目のkeynote talkはMEMSのマーケットとMEMSのアプリケーションについての講演でした。
その中で、MEMSのホットはアプリケーションとしてセンサーネットワークの話が出ており、センサーネットワークの可能性、エネルギーハーベスティング、そしてマーケットについての話を聴き、本プロジェクトの重要性を再確認しました。また、その他の発表からも多くの有益な技術情報を得ることができました。
つくば研究センター 富松
ワークショップの詳細はすでに報告されているので、気になった講演について報告します。
二日目のkeynote talkはMEMSのマーケットとMEMSのアプリケーションについての講演でした。
その中で、MEMSのホットはアプリケーションとしてセンサーネットワークの話が出ており、センサーネットワークの可能性、エネルギーハーベスティング、そしてマーケットについての話を聴き、本プロジェクトの重要性を再確認しました。また、その他の発表からも多くの有益な技術情報を得ることができました。
つくば研究センター 富松
2012年4月11日水曜日
dMEMS2012参加
dMEMS2012(2nd Workshop on design, control and software implementation distributed MEMS)は、2010年に1回目が開催され、今年で2回目となる国際ワークショップです。
フランスのブザンソンに7カ国の研究者が集い、2日間で3件の基調講演と13件の研究発表が行われました。今回の採択率は55%で、主に設計理論に関する発表が多く見られました。
基調講演では、EPFLのAdrian M. Ionescu氏が“Guardian Angels for a Smarter Life ~Zero-Power Technologies~”と題し、環境・健康などをターゲットにしたヨーロッパでのデバイス・センサネットワーク開発プロジェクトの取り組みが紹介されました。まさにヨーロッパ版NMEMSであり、大きな刺激を受けることが出来ました。また、その他の発表からも多くの有益な技術情報を得ることができました。
(分散研 植木真治)
会場となったFort Griffon
2012年4月6日金曜日
GSN-PJ2年目にあたり
昨2011年7月にスタートしました「NEDOグリーンセンサーネットワーク技術開発」PJも2年目に入りました。この間、東光電気(株)、東京電力(株)の2社がメンバーに加わり、16企業、および(国)東京工業大学、(独)産業技術総合研究所、(財)マイクロマシンセンターの3機関よりなる、計19機関の参画する、省エネに寄与するセンサーから、ネットワークシステムまで、名実ともに最大規模の国家プロジェクトとなってまいりました。
本年7月にはマイクロマシン展(7月11-13日東京ビッグサイト)において一年間の成果を世に問います。ご期待ください。
電力供給の課題から、4年プロジェクトとはいえ、一日もはやい本センサーネットワークの実現が期待されています。NEDOと連携しながら、加速策を考えつつ、ビジネスに繋いでいきたいと考えます。 今後ともご支援をお願いいたします。
(NMEMS技術研究機構 今仲)
本年7月にはマイクロマシン展(7月11-13日東京ビッグサイト)において一年間の成果を世に問います。ご期待ください。
電力供給の課題から、4年プロジェクトとはいえ、一日もはやい本センサーネットワークの実現が期待されています。NEDOと連携しながら、加速策を考えつつ、ビジネスに繋いでいきたいと考えます。 今後ともご支援をお願いいたします。
(NMEMS技術研究機構 今仲)
2012年3月22日木曜日
第59回応用物理学関係連合講演会参加 3/15-18
有機太陽電池の研究動向について情報収集を行うため早稲田大学・早稲田キャンパスで開催された第59回応用物理学関係連合講演会に参加しました。
特定テーマ「有機太陽電池」のセッションでは4日間にわたって低分子系有機薄膜型、色素増感型、高分子塗布型の各種有機太陽電池の作製、評価について計105件の発表講演が行われました。特に、先日10%を超える変換効率が報告された高分子塗布型に関する講演には300名以上の聴講者が参加しており関心の高さが伺われました。既知・新規の狭バンドギャップポリマーを用いた赤色光~近赤外光の利用による高効率化についての講演が注目を集めており、既存材料との組み合わせとタンデム化が今後の高効率化の大きな方針の1つとなっていることが見てとれました。また過渡吸収分光法等を用いた光電変換の物理についての講演からは、発電メカニズムに関する知見を得ることができ塗布型高分子太陽電池の高効率化について有益な情報を得ることが出来ました。
大岡山研究センターからはナノファイバーを利用した光電変換素子への光取り込み効率向上に関する研究発表を行いました(「次元制御有機ナノ材料」セッション)。トップダウンプロセスで作製した光散乱ナノ材料による、光取り込み効率向上は注目を集め、多くの参加者から質問と有益なコメントを頂くことが出来ました。
(大岡山研究センター 坪井)
特定テーマ「有機太陽電池」のセッションでは4日間にわたって低分子系有機薄膜型、色素増感型、高分子塗布型の各種有機太陽電池の作製、評価について計105件の発表講演が行われました。特に、先日10%を超える変換効率が報告された高分子塗布型に関する講演には300名以上の聴講者が参加しており関心の高さが伺われました。既知・新規の狭バンドギャップポリマーを用いた赤色光~近赤外光の利用による高効率化についての講演が注目を集めており、既存材料との組み合わせとタンデム化が今後の高効率化の大きな方針の1つとなっていることが見てとれました。また過渡吸収分光法等を用いた光電変換の物理についての講演からは、発電メカニズムに関する知見を得ることができ塗布型高分子太陽電池の高効率化について有益な情報を得ることが出来ました。
大岡山研究センターからはナノファイバーを利用した光電変換素子への光取り込み効率向上に関する研究発表を行いました(「次元制御有機ナノ材料」セッション)。トップダウンプロセスで作製した光散乱ナノ材料による、光取り込み効率向上は注目を集め、多くの参加者から質問と有益なコメントを頂くことが出来ました。
(大岡山研究センター 坪井)
ポスター発表の様子
2012年3月14日水曜日
Leti訪問とMEMS2012参加@フランス
Leti訪問
Letiは、フランスのグルノーブルに本部を置く研究機関で、半導体やMEMSなどナノテク分野の研究を進めております。300mmウエハを用いた3D-集積化技術開発にも注力していて、NMEMSでも研究を進めている300mmウエハでの集積化技術をテーマに、技術交流を行いました。今回訪問では、3D-集積化チームのM. Scannell氏と、集積化技術に関する研究をお互いに紹介し、意見を交換しました。その後、300mm用クリーンルームを見学させて頂きました。Letiでの研究は半導体向けということで、NMEMSとはターゲットが異なりますが、その技術や設備は素晴らしく、集積化技術に関する有益な情報を得ることが出来ました。
MEMS2012
MEMS国際会議は、MEMSセンサ技術およびMEMS製造集積化技術を含めたMEMS関連技術に関する研究者が毎年集う世界的な会議です。グリーンセンサおよび端末集積化技術に関して、研究動向の調査と、研究への応用を目的として、フランスのパリで開催されたMEMS2012に参加しました。Power MEMSやBioをはじめ、様々な分野での報告が多数ありましたが、集積化技術に関しても興味深い報告がありました。ワシントン大学とインテルからの報告で、磁石で誘導してトレンチにキャパシタを埋め込む、Surface Mount Technology (SMT)の報告です。視認によるフィードバックが可能で、従来の半導体プロセスとも互換性があるので、コストおよび歩留まりの改善が期待されます(“WAFER-LEVEL HIGH DENSITY INTEGRATION OF SURFACE MOUNT TECHNOLOGY COMPONENTS IN THROUGH-SILICON TRENCHES," J. H. Hoo et al.)。SensorやFabricationのセッションでも、興味深い報告が多く、グリーンセンサ端末の集積化に関して、有益な情報を得ることが出来ました。
分散研 善見
2012年3月8日木曜日
MEMS2012参加およびLETI訪問
・MEMS2012参加
世界の産学およびメーカーによる最先端技術のMEMSセンサ・プロセス集積技術における新規技術・技術動向について情報収集を行なうため、フランス・パリで開催された世界最大規模の国際学会MEMS2012に参加しました。いくつかあるセッションの中で、小職が注目したセッション「RF
MEMS」、「Bio & Chemical Micro Systems」、「Nano & Materials」などです。高周波特性に優れたRF MEMSの発表内容、金属とポリマーのナノ複合体MEMSスイッチの発表、CNTの静電容量変化を利用したNMES技術の発表などが興味深いと感じ、また本プロジェクトの研究開発に有益な情報を得ることができました。
・LETI訪問
NMESと技術交流の促進および先端技術の動向把握のため、フランス・グルノーブルにあるLETIへ訪問し、LETEの組織体制、研究内容、出向元の企業紹介、NMEMSでの取組、グループディスカッション、クリーンルーム見学を行った。LETIの研究内容は、マイクロマシンのみならず、ナノテク・化学・生物学・光学など多岐にわたる新技術の開発及び商業化を加速するために、世界中の産業パートナーと密接な協力関係を築いていると感じました。
また同研究所の職員数は約1,000名以上を擁し、その他・200名近くの博士課程学生に研修を行ってたり、パートナー企業や研究所から200名の出向者を受け入れていて、フランスをあげての研究開発を積極的に行っている印象を受けました。LETIには、200mmと300mmのウエハーを投入できる11,000㎡のクリーンルーム、ラボなどを持ち、その規模は大きく、またマイクロマシン、ナノテクノロジーの測定評価など行える設備で、今後とも定期的に交流を続けていき、技術の研鑽をはかっていきたいと思っております。
つくば開発センター 本多祐仁
世界の産学およびメーカーによる最先端技術のMEMSセンサ・プロセス集積技術における新規技術・技術動向について情報収集を行なうため、フランス・パリで開催された世界最大規模の国際学会MEMS2012に参加しました。いくつかあるセッションの中で、小職が注目したセッション「RF
MEMS」、「Bio & Chemical Micro Systems」、「Nano & Materials」などです。高周波特性に優れたRF MEMSの発表内容、金属とポリマーのナノ複合体MEMSスイッチの発表、CNTの静電容量変化を利用したNMES技術の発表などが興味深いと感じ、また本プロジェクトの研究開発に有益な情報を得ることができました。
・LETI訪問
NMESと技術交流の促進および先端技術の動向把握のため、フランス・グルノーブルにあるLETIへ訪問し、LETEの組織体制、研究内容、出向元の企業紹介、NMEMSでの取組、グループディスカッション、クリーンルーム見学を行った。LETIの研究内容は、マイクロマシンのみならず、ナノテク・化学・生物学・光学など多岐にわたる新技術の開発及び商業化を加速するために、世界中の産業パートナーと密接な協力関係を築いていると感じました。
また同研究所の職員数は約1,000名以上を擁し、その他・200名近くの博士課程学生に研修を行ってたり、パートナー企業や研究所から200名の出向者を受け入れていて、フランスをあげての研究開発を積極的に行っている印象を受けました。LETIには、200mmと300mmのウエハーを投入できる11,000㎡のクリーンルーム、ラボなどを持ち、その規模は大きく、またマイクロマシン、ナノテクノロジーの測定評価など行える設備で、今後とも定期的に交流を続けていき、技術の研鑽をはかっていきたいと思っております。
つくば開発センター 本多祐仁
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