2012年3月8日木曜日

MEMS2012参加およびLETI訪問

・MEMS2012参加
世界の産学およびメーカーによる最先端技術のMEMSセンサ・プロセス集積技術における新規技術・技術動向について情報収集を行なうため、フランス・パリで開催された世界最大規模の国際学会MEMS2012に参加しました。いくつかあるセッションの中で、小職が注目したセッション「RF
MEMS」、「Bio & Chemical Micro Systems」、「Nano & Materials」などです。高周波特性に優れたRF MEMSの発表内容、金属とポリマーのナノ複合体MEMSスイッチの発表、CNTの静電容量変化を利用したNMES技術の発表などが興味深いと感じ、また本プロジェクトの研究開発に有益な情報を得ることができました。                                                                                         

・LETI訪問
NMESと技術交流の促進および先端技術の動向把握のため、フランス・グルノーブルにあるLETIへ訪問し、LETEの組織体制、研究内容、出向元の企業紹介、NMEMSでの取組、グループディスカッション、クリーンルーム見学を行った。LETIの研究内容は、マイクロマシンのみならず、ナノテク・化学・生物学・光学など多岐にわたる新技術の開発及び商業化を加速するために、世界中の産業パートナーと密接な協力関係を築いていると感じました。
また同研究所の職員数は約1,000名以上を擁し、その他・200名近くの博士課程学生に研修を行ってたり、パートナー企業や研究所から200名の出向者を受け入れていて、フランスをあげての研究開発を積極的に行っている印象を受けました。LETIには、200mmと300mmのウエハーを投入できる11,000㎡のクリーンルーム、ラボなどを持ち、その規模は大きく、またマイクロマシン、ナノテクノロジーの測定評価など行える設備で、今後とも定期的に交流を続けていき、技術の研鑽をはかっていきたいと思っております。

つくば開発センター 本多祐仁

Leti訪問(フランス) MEMS2012

Leti(グルノーブル)で、S Fanget氏および G. Le Rhun氏と圧電MEMSに関しての意見交換を行い、そのあとクリーンルームの見学をさせていただきました。S Fanget氏および G. Le Rhun氏との意見交換では、本プロジェクトの研究開発項目①「グリーンMEMSセンサの開発」における塵埃センサに組み込む予定のトリガーセンサに使用する圧電MEMS技術に関して、大変有益な情報を得ることができました。

MEMS2012
MEMS関連技術の研究者が集うMEMSにおける世界最大かつ権威のある国際会議である本会議においてグリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトに関連した研究や技術の情報収集を行い、今後の研究へ反映することを目的として、MEMS2012へ参加してきました。
気になった発表がいくつかありましたが、その中の一つは以下のような発表でした。
タイトル:A NOVEL ELECTROMECHANICAL INTERROGATION SCHEME FOR IMPLANTABLE PASSIVE TRANSPONDERS
発表者:A. Kim, T. Maleki, and B. Ziaie (Purdue University, USA)
内容:
機械的振動による発電と無線送信と2つの機能を持ったトランスポンダーの発表でした。デバイス構成は音響振動を電力に変換するためのPZTのカンチレバー、整流回路、蓄電用のキャパシタ、電磁誘導式圧力センサのコイルおよび無線送信用アンテナの両方の機能を持つコイル、PDMSのメンブレンに取り付けられたフェライトコア。動作はPZTのカンチレバーをスピーカーから流れる音楽によって振動させ、発電した電力をキャパシタに蓄電し、その電力を使って受信機に無線を送信する。この時、圧力の変化によってPDMSのメンブレンに取り付けられたフェライトコアとコイルの間隔が変調を受けて、インダクタンスが変化し、送信信号の周波数が変調されるというものでした。本講演は、センサー、エナジーハーベスト、および無線通信に関するものであり、本プロジェクトにおける研究開発のうち、特に研究開発項目①「グリーンMEMSセンサ」、②「無線通信機能及び自立電源機能を搭載したグリーンセンサ端末の開発」に関して有益な情報を得ることができる発表でした。

つくば研究センター 富松

2012年2月29日水曜日

MEMS2012(Jan.30-Feb.2,2012
パリ)

◆MEMS2012
MEMS国際会議は、MEMSセンサ技術およびMEMS製造集積化技術を含めたMEMS関連技術に関する研究者が毎年集う世界的な会議であり、MEMS分野では最も権威とクオリティが高い国際会議と言われている。本会議において、グリーンMEMSセンサ、グリーンセンサ端末技術関連の情報収集を行った。

センサネットワーク関連では、MEMS技術を用いた自立電源(Power MEMS)に関するもの(例えばも相当数あり、非接触電流センサ(A
FLEXIBLE, NON-INTRUSIVE POWER SENSOR TAG FOR THE ELECTRICITY MONITIORING OF
TWO-WIRE HOUSEHOLD APPLIANCES,台湾精華大学とITRIのグループ)やガスセンサに関する発表、あるいは10種のセンシング機能を1チップに集積化したもの(MULTI-FUNCTIONAL INTEGRATED SENSORS FOR THE ENVIRONMENT,米スタンフォード大とヒューレッドパッカードのグループ)もあり、全体的には特にポスターセッションにおいて、グリーンMEMSセンサおよびグリーンセンサ端末用自立電源に関し、有益な情報を得ることができた。
(つくば研究センター長 伊藤 寿浩)

2012年1月25日水曜日

伊藤寿浩つくば研究センター長、東工大大学院講義でグリーンセンサ・ネットワークシステムを紹介


 1月24日(火)に本プロジェクトの伊藤寿浩つくば研究センター長が東京工業大学の大学院講義『ナノファイバーイノベーション創出』においてユビキタスセンサネットワークと大面積デバイス製造技術開発に関する集中講義を行いました。本講義は主に材料系の大学院生を対象としていますが一般にも公開されています。

 講義では、MEMSセンサを利用したユビキタスセンサネットワークに関する説明が行われました。用途展開の例として、アニマルウォッチセンサの開発やエネルギー消費の見える化による省エネ技術として期待されるグリーンセンサ・ネットワークシステムの開発が紹介されました。センサネットワークに加えて、大面積デバイス製造技術に関する説明も行われました。参加者からは繊維状基材の連続微細加工技術に高い関心が寄せられました。
(大岡山センター研究員 坪井 一真)
 
 
講義の様子

グリーンセンサ・ネットワークシステムについて説明を行う伊藤センター長

 

2011年12月27日火曜日

PowerMEMS2011出張報告

 グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトの関連技術の研究動向を調査するため、国際学会PowerMEMS2011へ参加してきましたので報告いたします。

PowerMEMS2011は、年1回開催の、パワーMEMS分野の国際学会であり、今年は11/16~18の3日間、韓国のソウルでの開催でした。

(1)学会の発表分野
基調講演1件、招待講演4件、口頭発表48件、ポスター発表70件が行われました。
全投稿に対する採択率は90.1%とのことです。
投稿者数の地域別内訳は、アジアが44.3%、ヨーロッパが38.9%、アメリカが16%、アフリカが0.8%となっており、世界中のパワーMEMS分野の研究者が集まり、活発な議論が行われました。

基調講演と招待講演を除いた、口頭発表の内訳は、

 ・環境発電技術…7セッション(28件)
 ・燃料電池等の化学反応応用技術…2セッション(8件)
 ・MEMSタービン等、システム化技術等、熱マネジメント技術等…各1セッション(12件)

となっており、近年の環境発電分野への注目を反映してか、環境発電技術分野に対し、非常に多数の発表が集中しています。

(2)技術調査
 本プロジェクトと関連深い研究分野である、環境発電技術のセッションを中心に聴講してきました。
 全体として、圧電薄膜としてPZTを用いた振動発電技術の発表が多数を占めていましたが、なかなか発電量を増やすことは難しく、非常に研究し甲斐のある技術分野となっていることが伺えました。
そのような中、印象に残った発表が2つあります。
 1つ目は、ドイツのLaboratory for Design of Microsystems, Department of Microsystems Engineering (IMTEK)のPeter Woias教授の発表です。電車の振動で発電して無線送信を行う端末を開発し、実際に線路に設置して無線送信した結果の発表です。発電素子に対する工夫と併せて、蓄電・エネルギーマネジメントするシステム技術を開発することで、発電量が比較的少なくとも、早期に実用化に近づけることができる、という発表内容は、強く印象に残りました。
 2つ目は、京都大学/小寺研究室の方の発表で、振動発電用の圧電薄膜として、鉛を含むPZTに代わり得る材料として、(K,Na)NbO3が提案されました。実際に(K,Na)NbO3を使って振動発電素子を作製し、PZTとほぼ同等の発電性能が得られた、という発表です。これまで、PZTと同等性能を有する代替材料が存在しなかったため、有鉛で環境に対する懸念のあるPZTが広く使われてきた分野ですが、ブレークスルーと成り得る可能性を感じました。

つくば研究センター 藤森

2011年12月22日木曜日

MEMSと低炭素社会の一考察

-最小にして最大の効果を発揮するMEMS-
日本における最適な低炭素社会実現を目指すことを目的した「グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト」が7月にスタートして半年が過ぎました。
東日本大震災の影響で今年ほど電力消費を意識した年は、はじめてと思います。自宅、職場、駅、デパート、商店街、公園等ほとんどの場所が節電モードとなり、不足した電力を補いました。その結果、ものづくりのための生産力も落ちて景気も悪くなりました。最近は節電にも慣れて「適電」(適切な電力使用)なる造語も聞くようになりました。
そのような厳しい現実社会の営みのなかで、車、家電製品、ロボットをはじめ工場、スーパー等において、人間の目・耳・皮膚感覚の役割を担うMEMSセンサーの役割が期待されています。新しいMEMSセンサーの開発は、いろいろな場所や場面に応じてエネルギー消費量を計測し、その計測結果から最適な消費電力を導き家電製品をはじめとする諸設備に、センサーとコンピューターを組み合わせて効率かつ最大限の省エネルギー効果を発揮するシステムを目指しています。おそらく今年節電した分くらいは節電できるのではないかと期待しています。また、最近新聞等で賢い冷蔵庫や洗濯機、お掃除ロボットなどが紹介されている記事が散見されますが、その賢い部分はMEMSセンサーの働きがキーになっています。従って、既にスタートしていますバイオ・ナノテク技術を融合させた次世代型のMEMS製造技術開発プロジェクト(BEANSプロジェクト)やNMEMS技術研究機構の「グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト」(GSNプロジェクト)が成功し、開発製造されたMEMSが、省エネルギー実現に必要な最小にして最大の効果を発揮するはずです。
そして省エネルギー効果は当然少ない発電量で済むわけですから、石油などの化石燃料に頼らない低炭素社会実現に貢献できます。もちろんこれだけで低炭素社会が実現できるわけではなく、政府各府省及び日本のあらゆる研究機関、あらゆる研究者があらゆる方向からの省エネルギーに向けた対策並びに研究開発及び自然エネルギーを活用した発電技術等が成功して成就するものと思っています。
しかし心配がひとつあります。MEMSの力は省エネルギーに貢献すると同時に人間が直接行ってきた部分もMEMSによって自動化され、人間自身への省エネルギーも実現してしまい、この部分を良く考えておかないと、すべてMEMSにお任せ状態では人間の方が堕落してメタボになってしまうのではと心配です。このように新しいMEMSが出現したとき、どこまでMEMSの力に頼ったらいいのか憂慮しています。考えすぎでしょうか!!!??(研究支援部 町田 進)

2011年12月16日金曜日

セブン-イレブン立川地区 サイトビジット

◆前田PL、NEDO久木田部長、小寺PMのセブン-イレブンにおけるスマートセンサによる省エネ実例現地視察
平成23年12月1日に前田プロジェクトリーダ(PL)とNEDO技術開発推進部久木田部長、小寺プログラムマネージャー(PM)、大久保主任研究員、渡辺主査、奥谷主査が、グリーンセンサネットワークシステムの構築と実証実験で参画しているセブン-イレブンのコンビニ店舗(東京都立川地区)の省エネ取り組みについて現地視察された。すでに、本プロジェクトが始まる前から、JST-CRESTの実験サイトとして電力モニタリングによる省エネ実証が行われている。
最初に、立川商工会議所において、セブン-イレブンの省エネの取り組み、続いて立川商工会議所 環境ECO推進協議会の省エネ取り組みについてご説明頂いた。質疑応答のなかで、電力センサに求められることとして、安いセンサであること、設置コストを考えると無線が不可欠、電池交換のメンテナンスコストを考えると自立電源が望ましい等の意見が出た。
その後、セブン‐イレブン・ジャパン立川地区事務所、電力センサを設置したコンビニ店舗を見学された。